制作費 20 万弱で撮った自主制作映画「されど青春の端くれ」で、若手映画監督の登竜門であるゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアターコンペティションでグランプリ&シネガーアワードを受賞し、その翌年に商業デビューを果たした新鋭・森田和樹のオリジナル長編映画。
主演の井東進役には「僕たちがやりました」のパイセン役や「仮面ライダーBLACK SUN」の井垣亘役を熱演している、唯一無二の存在感で魅せる俳優・今野浩喜。新人助手・今野圭子役には「アンチポルノ」や「娼年」で難しい役どころを完璧に演じきった冨手麻妙。友人の刑事・酒井俊己役には「クローズ」での忠太役の他に色々な作品に出演している鈴之助。酒井の部下・高松美智香役には、被写体モデルとして話題になり今後の活躍が期待されている雪見みと。酒井の上司・榊原次郎役には「さよなら渓谷」で主演しコンスタントに作品に出演している大西信満。
４日間とタイトな撮影だった本作は、俳優達の演技を固めすぎずにその場で起こる雰囲気に合わせて脱力したアドリブが冴え渡った。今作品は近年の叙情的な主流作品から脱却した、独特のリズムと世界観を生かしたコメディ映画となっている。